月風魔伝その他、考察などの備忘録。
皆さんこんばんは、九曜です。
色々立て込んでいたり、月末だったり、天候が不安定で調子が悪かったり、と種々の原因はありますが、今日も今日とてブログ更新に来ました。
内容については「また」なんです。すみません。
まずは落ち着いて、魂の干物でもつまんでください←
今日のお話は、地味に続き物になっているのに、実はここにまだ一作も出していなかった「獄炎の騎士バーン」の話になります。
バーンを題材にとる作品については、某方の影響をじんわりと受けておりまして、この話も「火炎バーンと獄炎バーンが同時に存在する」設定となっています。
それでもオッケー!という方は、追記よりご覧ください。
あぁ、続き物といえば、客人設定のあれとか、ジークと零の珍道中も出さなきゃなぁ…。
色々立て込んでいたり、月末だったり、天候が不安定で調子が悪かったり、と種々の原因はありますが、今日も今日とてブログ更新に来ました。
内容については「また」なんです。すみません。
まずは落ち着いて、魂の干物でもつまんでください←
今日のお話は、地味に続き物になっているのに、実はここにまだ一作も出していなかった「獄炎の騎士バーン」の話になります。
バーンを題材にとる作品については、某方の影響をじんわりと受けておりまして、この話も「火炎バーンと獄炎バーンが同時に存在する」設定となっています。
それでもオッケー!という方は、追記よりご覧ください。
あぁ、続き物といえば、客人設定のあれとか、ジークと零の珍道中も出さなきゃなぁ…。
夢を見た。
赤黒い空間を、ひたすら落ちる夢。
重力に引かれてなす術もなく、暴れても無駄だと悟った腕から力が抜ける。
地面が遠いのか、時間の流れが遅いのか、わからない。
背中に当たる風は冷たいどころか、熱を帯びている。
黒地に赤で炎の模様を施したマントが、熱風にたなびく。
暗く溶ける天を見やれど青空はない。
これで良いんだ、と考えた。
美しい空などどこにもないまやかしで、綺麗な自然はまぼろしで、正義に満ち溢れた人の心はいつわりなのだろう。
そんな世界なら、自分ごと棄ててしまっても構わないと思えた。
周囲の黒が赤へ、橙へ、光を孕み変わってゆく。
落ちた先に待ち受けるのは、燃え盛る炎か、煮えたぎるマグマか。
そう思わせる色が視界を覆ってゆく。
体が熱い。空間が熱で満ちる。
「バーン!」
誰かが自分の名を呼んだ。
右腕を引かれる感覚。はっとして声の方を見る、視線がかち合う。
自分と同じ意匠の鎧は色だけが違い、白と赤の二色に包まれている。
顔立ちは……自分の顔は見たことがないが、似ているのだろう。
緑に輝く瞳は希望に満ち溢れている。
重力に引かれる感覚はなくなり、しかし足がつく地面もなく、ふわりと浮くような心地。
しっかと繋がれた右手だけが、自分が生きているだろうことを教えてくれる。
「火炎の、騎士」
目の前の者は、火炎の騎士と呼ばれる存在の「バーン」。
自分は、業火に染まった獄炎の騎士「バーン」。
名前を口にしようとすると、胸の奥がきりりと痛む心地がして、肩書で呼ぶ。
二つに割れた心は、二つの存在を創り出した。
自分はその片割れに過ぎないのだ、と思う。
「バーン。ここがどこか、わかるか?」
火炎の騎士は問いかけてくる。
だが、ここがどこかなど、自分には見当もつかない。
目の前の白すら染めあげようとするぐらい、赤の光は強く濃くなっている。
肌色をすっかり吸われた目の前の顔が、なぜか嬉しそうに目を緩める。
「不死鳥の炎だ。俺たちは、もう一度ひとりの『バーン』になるんだ」
不死鳥。
炎で自らの身を焼き、輪廻転生を繰り返すという伝説の存在。
御伽噺の類かと馬鹿にする気も起きなかったのは、それが夢だからだろうか?
それに、もう一度ひとりになるという話も、よくわからない。
元々同じ「バーン」だったのだから、元に戻るのだと言えばそれまでだが、すべてが巻き戻り自分が消えてしまうということなのか。
獄炎に身を染めてから、初めて感じるかもしれない、言い知れぬ恐怖が体を固める。
その様子に気づいたのかは分からないが、火炎の騎士はこうとだけ言った。
「大丈夫だ」
あれほど赤かった視界が白く濁り、火炎の騎士――「バーン」の姿が、見えなくなる。
体が動かない。いや、体があるのかどうかすら、もう分からない。
どこかの景色が目の前に、でたらめに映り込んでくる。
王国の正門。旅の途中で見た名もない花。魔王軍との死闘。街の子供のあどけない笑顔。戦友。突きつけられた切っ先。手の中の黒い宝珠。
これは火炎の騎士の記憶か?
崩落する意識が瞬時に世界を押し潰す。
* * *
目が覚めた後、そこは休憩のために身を寄せた枯れた大樹の下で。
自分は普段と変わらぬ黒の鎧兜を身に着けていて。
しかし不思議と、いつも炎の向こうに霞むようにしか見えない心の奥底が、その日ははっきりと見えた気がした。
俺は決着を付けなければならない。
黒と赤に染まった炎の剣を腰に携え、同じ色のマントを翻し、歩き出す。
枯草を踏みしめ、見上げた先の空は薄汚れた青色で。
乾いた風からは、微かに鉄色の匂いがした。
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ゲームを遊んだり、絵を描いたり、色々考えるのが好き。このブログは備忘録として使っています。
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