月ノ下、風ノ調 - 秘湯で想う・その45 火薬玉で凍らせるのは可能か? 忍者ブログ
月風魔伝その他、考察などの備忘録。
皆さまこんばんは、暑さで氷嚢の手放せない九曜です。
今日は8/1なので、夏真っ盛り怪談特集アーカイブでも…と思っていたのですが、本日は「花火の日」だそうで、昔感じたある疑問を思い出しました。


これです。四尺玉・雪華。
当たることで敵を凍結させる副装備のひとつなのですが、説明によれば「火薬と氷嚢の詰まった玉」らしいのです。
片や爆発物、片や氷嚢で、果たして敵が凍るものか?
そんなわけで今回は「花火の日特集」と題し、これについて考えてみようと思います。





火薬玉の仕組みを考える
火薬玉の寸法が尺寸であること、二尺玉3個入りの大華火の存在などから、火薬玉の構造は花火玉に近い気がするので、手っ取り早くWikipediaの「花火」の項目を引いてみました…が、よくわかりません。
花火玉の基本的な構造を探したところ、法人格で作成されているページがいくつかありましたので、以下にリンクを置いておきます。

花火について|高木煙火株式会社【花火の製造・企画】
打揚花火のしくみ | 打揚花火 | 公益社団法人 日本煙火協会

これらを見て知ったのですが、花火、結構な種類があるようです。
開き方や軌跡などで分類するようなので、比較のために「雪華」の爆発シーンを見てみましょう。


う、うーん…青いもやもやと…とりあえず、すごい煙…?
これほど煙を出すのであれば、昼花火の「煙物」でしょうか。しかしスモークボールのようにただもうもうと煙を吐くのでなく、音を出し爆発しているのは確かです。
花火のような色彩表現が不要であることから、雪華は爆発力の強い「割薬」にあたるものと、氷嚢にあたるもので作られていると思われます。


こちらは過去のスクリーンショットなので画質が悪いですが、二尺玉・烈風です。エフェクトの炎がオレンジ色なのがおわかり頂けると思います。


また、こちらはよく似た白い煙を出す四尺玉・加密列ですが、炎色は白です。雪華ではこれらの代わり、青い炎がもやもやと出ているので、やはりここが「氷嚢」または「凍結」に関連してくるのだと思われます。


「氷嚢」は何なのか?
氷嚢についても考えたいのですが、Wikipediaに当たらなかったのでコトバンクから引っ張ってきました。これによれば材質を問わず、一般的に水や氷を入れる袋のことを指すようです。
ただこの言葉を額面通りに受け取っても、恐らく雪華は完成しません。水や氷はいくら冷たくても、周囲(ましてや、動いている生き?物!)を凍結させるだけの冷却力はありません。仮にそうであれば、体に氷嚢を押し当てたところから凍ってしまいますが、実際は触れているものと熱交換を行い、時間経過とともに温くなるだけです。
では、この氷嚢の正体を考えてみましょう。いくつか、思いついたものを挙げてみます。

A.ドライアイス
あの大量の白い煙から、ドライアイスの可能性をまず考えてみました。
が、これはあくまでも「大量の白い煙」の理由にしかなりませんでした。ドライアイスには保冷性はあれど、ほかの何かを強力に凍らせることはできないからです。
最終的な結果が「凍結」であるなら、ドライアイスにその役目を担ってもらうことは難しいでしょう。この説は棄却です。

B.液体窒素
何かほかのものを凍らせるのであれば、液体窒素という手があります。バナナで釘を打つ実験があまりに有名なので、これならいけると思いましたが、ここでも盲点がありました。
液体窒素は、液が一か所に溜まった状態で何かを浸けると、瞬間冷却ができます。ですがこれを撒く、つまり細かく飛び散らせると、冷却力が周囲の温度に負けます。過去に科学の実験教室で見たことがあるのですが、液体窒素を床にぱっと撒くと、まるでフライパンの上に水を撒くように床の上を液が転がり、最後には蒸発していなくなってしまうのです。生物に対しても同じように作用するかは不明ですが、少なくとも「爆発させる」火薬玉との相性はかなり悪いと思われます。
どうしても液体窒素を利用したいのであれば、火薬の量を調整して氷嚢の「外皮だけ」を破裂させ、中身の液体窒素は極力飛び散らさずに、その場で重力落下させる必要があります。火薬量や爆発のさせ方など、かなり難しい調整となりますが、月氏の技術力で何とかできればいけそうな気もします。

C.それ以外の何か
これらでダメなら、もう月氏特有の技術であるとみるべきです。「氷嚢」という名前ではあるけど、呪法的な何かを使っている可能性があります。


参考までに、ほかの「凍結」効果の副装備をずらっと並べてみました。
「氷嚢」に言及されているのは雪華だけのようで、苦無や撒菱は特殊な素材を使用しており、護符は氷神の力が込められているとかなんとか。説明すらない凍月弓は何なのだろう。
撒菱の素材なんかは現実に存在しない素材なので、雪華の「氷嚢」についても、そういった凍結効果のある特殊素材なのかもしれません。あるいは、護符のように何らかの呪術が用いられていると考えられます。


爆発しつつ凍結させることはできるのか?

さて最後に、「爆発」と「凍結」が両立するかの問題です。
一般的に爆発というと、熱や光を伴うもの、熱いものというイメージがありますが、いつものようWikipedia先生で引いてみると、それに関してはおおむね合っているようです。
そうそう、危険物試験の時にお世話になったサイトさんにも解説があるので、これも出しておきましょう。

爆発 - 通常は燃えないものも飛散・着火すると爆発するという話 | 図解でわかる危険物取扱者講座

このサイト、危険物の資格取得にとても役立つので、勉強したい方はぜひブックマークすると良いです(謎宣伝)
私もこのサイトや参考書で勉強しましたが、爆発というのは燃焼の一形態です。燃焼というのは、ご存知の通りものが燃えることなので、熱や光を伴います。熱や光の発生にとどまらず、温度や圧力が急上昇することで「爆発」にランクアップします。

つまり、温度の急上昇が起きるので、凍結させるのは…と思いましたが、そういえば先に中身を考えた時に、ひとつの回答例を出しておりました。「B.液体窒素」の項目内の後半、「火薬の量を調整して氷嚢の「外皮だけ」を破裂させ、中身の液体窒素は極力飛び散らさずに、その場で重力落下させる」…これが「爆発しつつ凍結を引き起こす」ことの回答例になりませんでしょうか。
液体窒素でないにしろ、何かしらの凍結効果のあるものを「なるべく燃焼から切り離された状態で、その場で効果を発揮させる」ことで、爆発しつつ凍結、は可能ではないかと考えられます。


状態異常:凍結についての推測
せっかく動画が撮れる環境なので、撮影してみました。
これによると、投げる→爆発→爆音とともに「カチン」と音がし敵が凍結→しばらく経つと氷が割れる、という流れのようです。
一般的な人間が凍結したら即死だと思うのですが、27代君も凍結効果のある攻撃で凍結→解除という形で復帰できるので、この凍結には何かしらのカラクリがありそうです。

考察:物理的に凍ってはいないんじゃないか説
ここで私は、これまでさんざん「敵を凍らすには」を考えておきながら、そうではない可能性に気づきました。凍結というのが実際に起きている事象でなく、エフェクト上のものと考えると、いろいろな問題が解決します。

まず、温度低下に関する症例として低体温症があります。これらは極度の低温で体が動きにくく、あるいは動かなくなる症状で、凍結時の「敵の動きが止まる」というものと一致します。凍傷とは違い、それが直接身体を傷つける類のものでもありません。
これを軸に考えると、雪華は「凍結まではしなくとも、その場の温度を極端に下げる」効果を持っていると思われます。温度が急激に下がることで、敵が急激な低体温症に陥り、動かなくなるのでしょう。骸骨剣士や骸骨弓士に効くのはいまいち謎ですが、いちおう内臓がついていたりするので、骨部分は無事でも内臓部分がやられるのかもしれません。


加えて、大百足などのボス相手であっても、このように全身が凍結する表現となります。
爆発半径を見てもらえればわかりやすいですが、この規模の爆発でこれだけの巨体を瞬時に凍結させるのは困難と思われます。
低体温症説であればこれも何となく解決します。極度の低温に体の一部が触れたことで「全身が凍結したかのように」動けなくなってしまった、と考えることができます。

ただ、実際の凍結であっても「ものすごい勢いで体の表面を伝播する」ような性質があれば、通常の凍結効果でこのような凍らせ方も可能ではあるのかな…などと思ったりします。

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