月風魔伝その他、考察などの備忘録。
みなさんこんばんは、九曜です。
コンサートのため週末まるまる旅行の予定を入れておきながら、ブログ記事の用意ができないまま出発したため、20時になってあわててTerapadを起動し考察に取り掛かっておりました。が、予想外に調べものが多く難航したため、やむなくアーカイブです。
というかこのブログ、実は別に話題が月風魔伝限定というわけでもないので、日記でよければ毎週の狩猟記録とかつけても良さそうなのですが、とりあえず立て込んでいる考察をぜんぶ形にしないことには…という気持ちもあるので、ローペースですが方針を何とか定めたいなぁと考えております。
とりあえず、数年前のように突然休止とかにはしたく…ない!
本日のアーカイブなんですけれども、もうまるで自然に初代月風魔が館にいる、とても平和な光景です。
初代と27代、なんとなく雰囲気の似ている二人はさながら『双桜』ですが、その実は…あんまり真面目な話でないので、お茶でも片手にお楽しみください。
コンサートのため週末まるまる旅行の予定を入れておきながら、ブログ記事の用意ができないまま出発したため、20時になってあわててTerapadを起動し考察に取り掛かっておりました。が、予想外に調べものが多く難航したため、やむなくアーカイブです。
というかこのブログ、実は別に話題が月風魔伝限定というわけでもないので、日記でよければ毎週の狩猟記録とかつけても良さそうなのですが、とりあえず立て込んでいる考察をぜんぶ形にしないことには…という気持ちもあるので、ローペースですが方針を何とか定めたいなぁと考えております。
とりあえず、数年前のように突然休止とかにはしたく…ない!
本日のアーカイブなんですけれども、もうまるで自然に初代月風魔が館にいる、とても平和な光景です。
初代と27代、なんとなく雰囲気の似ている二人はさながら『双桜』ですが、その実は…あんまり真面目な話でないので、お茶でも片手にお楽しみください。
双桜
桜の花が舞い、満月が穏やかに照らす夜。美しく澄んだせせらぎの合間に、人の声。それもどうも、何やら言い争っているようであると、嵐童は声のする方、縁側へと足を向けた。
「絶対に龍骨鬼だ。譲るわけにゆかぬ」
「いいや、大百足の方が理にかなっております。初代様のお言葉とはいえ、そこは曲げるわけにはゆきませぬ」
見れば、弟――二十七代月風魔と、初代月風魔の二名が、そっくりな赤髪の頭を並べ、何をか口論しているようであった。
* * *
話は少し前に遡る。地獄より魂が戻った当主の座る「儀式の間」に、その者は何の前触れもなく現れた。聞けば「城の詰所へ戻るつもりが、見慣れない扉を見かけたゆえ開いてみれば、ここへ流れ着いた」という。だが、その者の話を聞いて、兄弟は顔を見合わせ驚くしかなかった。
「俺は、月風魔。西暦一万四千六百五十三年の生まれで、月氏一族の……どうした?」
初代月風魔からすれば、誰とも分からぬ初対面の者への「いつもの挨拶」であったそれが、兄弟二人にとっては大きな意味を持った。今からほとんど千年前、月一族の風魔といえば、龍骨鬼を地獄へ追いやった始祖であったのだから。
「一万四千……まさか、初代様……?」
「初代様が、この館に! これは心強うございまする!」
「ま、待ってくれ。話がとんとわからぬ。初代……俺がか……?」
二十七代月風魔とその兄は、今の世が西暦一万五千六百年であり、この館は一族の当主が住む館で、その開祖こそあなたなのだと口を揃えて説いた。初代月風魔はようやく状況を呑みこんだようで――というのも、元居た場所もほとんど混沌の産物だったから、という背景があるが――ようやく落ち着いたように、畳の上へ腰を下ろした。
さすがに千年前の武士というべきか、武技や吸魂といった戦いの知識も千年前のもので、地獄へ潜るための虚身の術法なども備えていなかったが、訓示を聞くぐらいのことはできた。その訓示は、風魔が亡き兄二人から受け継いだ、月氏本来の――統治者としての話が多く、二人は地獄行脚の戦力としてでなく、良き客人として、世にも奇妙な来訪者を招き入れることに決めたのであった。
* * *
「何を話しているのだ」
「あ、兄上」
嵐童が弟の方へ歩み寄ると、赤髪の片方が振り向いた。髪の癖の付き方以外は色も長さもそっくりだが、嵐童には後ろ姿でどちらが弟なのか一目瞭然であったから、呼ぶため置いた手にも間違いはなかった。弟はどこか、童子のようにむすっと膨れた面をしながら、こう続けた。
「初代様と、大百足と龍骨鬼のいずれが良いか、話し合うていたのです」
大百足という単語に、嵐童の頭を嫌な予感が掠めたが、対話の相手は他でもない初代様である。戦術論でも交わしていたのだろう、とたかをくくり、
「ほう、詳しく聞かせてくれまいか」
などと言うや、それまで無言でこちらを見やっていたもう一人の風魔が、薄色の瞳をぱっと輝かせ、弟に先んじやや厚い唇を開いた。
「何と! 聞いてくれるか。シモンにも何度か話をしたが、とうとう同意は貰えなんだ」
風魔は聞きなれぬ名を――おそらく、二人の知らない誰かの名を――挙げながら、立て板に水を流すように語り出した。
「俺が龍骨鬼の子を育てようと思ったのは、」
その語り始めで、嵐童は何をか察して俯き、眉間に指を置いた。目の前にいる男は確かに、嵐童の当主としての歴史知識を以てしても、初代の月風魔である。それが、ああ、それが、まるで己が弟のように、魑魅魍魎を愛で育てるなどと!
並んだ弟に視線を落とすと、風魔の話にいまひとつ心動かぬように、腕を組んで眉間に皺を刻んでいる。弟は生来、人とうまくやることは得意であったが、人よりどこか外れた感性を持ち、空の絵を檜皮色で塗りつぶしたり、掘り返した何かの幼虫を箪笥の引き出しに大事に仕舞っていたりした。つい近頃は、地獄の断崖にいる大百足があまりに愛らしいので、館で幼体を飼えないかと言い出したところだ。黙して語らずとも、弟の顔は「大百足の方が愛くるしい」と主張している。眩暈がした。
「そういう訳でな……この館のはずれに、ベビーを置ける仮住まいでもあれば良いのだが」
あれこれ考えているうちに、風魔の話は語り終いとなっており、朗らかにほどける笑顔が桜のように揺れた。それを不貞腐れた顔で眺めている弟は、しぼんだ桜の蕾のようだ。嵐童は対となった桜を、ふたつの赤髪の顔(かんばせ)を見比べながら、しみじみ思った。初代様がいらした時は、輝かしく荘厳な訓示に感服する日々を描いていたが、その実のところ、弟が二人となっただけではないのか、と。
+++++
はい、というわけで、弟が2人になったような館のお話でした。兄上がんばって…!
この頃はまだ狂蠍が実装されておりませんでしたが、この時点で「大百足かわいい」だったので、27代君(というか九曜当主)、素質があります(何の)
ちなみに、作中の風魔君がごく自然に龍骨鬼ベビーの話をしていますが、龍骨鬼育成計画らへんに詳細が書いてあるので、気になる方はそちらの記事もどうぞ。
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