月風魔伝その他、考察などの備忘録。
今宵も元気に月風魔!
予備PCでは求道者はおろか、大洞に行くのさえ怖い九曜です。フリーズ…データ消え…ウッアタマガ
予備PCではありますが、最低限の資料データなど外部HDDにバックアップがとれているので、今回はそこから考察をひとつ進めたいと思っています。
よく考えると、このバックアップがなかったら何を書くにも、まずゲームを開いて低画質のスクショをわざわざ撮らねばなりません。我ながらちゃんと避難していて偉い。
今回のお話は、当主が一生懸命行脚している地獄はさておき、現世の皆さんがどうなっているんだというお話です。
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よく考えると、このバックアップがなかったら何を書くにも、まずゲームを開いて低画質のスクショをわざわざ撮らねばなりません。我ながらちゃんと避難していて偉い。
今回のお話は、当主が一生懸命行脚している地獄はさておき、現世の皆さんがどうなっているんだというお話です。
石碑で見る此岸の治安
月風魔伝の世界はおそらく「高度に発達した文明が一度崩壊」しています。
西暦10000年オーバーという超未来に加え、13000年の「寿壊」インパクト、人と見分けのつかぬ絡繰女たちの存在、地獄の奥底に封印された戦艦「古宮都」など、それを裏付ける要素はたくさんあります。館や当主などの見かけが中世日本に近いのも、一度滅んだ文明を立て直した結果と思われます。
そんな月風魔伝ワールド、お世辞にも平穏な世界とは言えなさそうです。館は一見華やかですが、UMで見られる地獄以外の風景は館だけです。当主が監視目的で滞在するであろう場に、他に暮らす者たちの息遣いまで感じ取ることはできません。
民の暮らしぶりや月氏の当主としての治めぶりは、石碑にいくつか書かれているので、今回はそれを中心に考えていきたいと思います。
まずはこちら、断崖の石碑です。語り手は泥棒で、地獄へ宝があると聞き勇んでやってきたものの、何もなく死ぬばかりだと嘆いています。
これ、治安の点から見ると二極化されます。ひとつは、あまりに世が平穏なため「地獄で宝探し」のような世迷い言が独り歩きしている状況です。近現代のUMA探し、徳川の埋蔵金、あるいは都市伝説流行りなどに近いでしょう。もうひとつは、逆に世があまりに荒んでいることから、地獄にまで希望を求めているという説です。こちらは念仏による救済が求められた、かつての日本を思い出します。
毎回説が二極化していて、結局どっちなんだと言われることに定評のある拙宅ですが、これに関しては後者の可能性が高そうです。
こちらは大洞の石碑。「地上も地獄も変わらない」という悲痛な訴えから、当時どういう世の中であったか、まざまざと思い知らされるようです。
しかし全体的に職務寄りだったり、たまにものぐさ当主がいたりしますが、月氏政権が千年間ずっと横暴だったとも考えづらいです。基本的に魑魅魍魎が地獄から湧いてくる世の中なので、その過程で民や集落が犠牲になったりして、田畑を耕すもままならず、生活水準としてはそこそこ低かったのではないかと思います。月氏は当主ゆえちゃんとした身なりをして、それなりの屋敷を持っていますが、平民はこの限りではないのだろうと感じます。
「ご近所化した地獄」が与える影響
では、地獄から魑魅魍魎が恒常的に湧いてくる、いわば「ご近所化した地獄」が世に与える影響について考えてみましょう。
地獄の魑魅魍魎たちは、当主ですら素手では「支度をせねば」と言わしめるほどの難敵です。フル育成した当主なら凡人地獄の魍魎ぐらいは衝脚だけでなんとでもなりそうですが、市井の民では手も足も出ないことでしょう。一方的に殺戮されるだけの存在かもしれません。
そうなると必然的に、死が隣り合わせの世の中になります。死の恐怖と常に戦わねばならないというのは、相当なストレスであると同時に、生き方が即時的になるという面もありそうに感じます。明日の我が身、今日の我が身と考える民が集まれば、ストレスも相まってひどい恐慌が生まれることでしょう。
そこで、月氏の出番です。沼御前の解説に、現世に出てきていたのを昔、月氏が討ったという内容があります。月氏は魍魎が湧き出て集落などに被害を与えていると、それを排除する形で民の安全を確保していたであろう事がわかります。
おそらく「寿壊」のあとからそうだったのでしょうが、ある程度戦う力のある月氏と高度文明に守られてきた人々との間でまず庇護関係が生まれ、それが次第に「月氏による地上統治」という形になっていったのだと思われます。
月氏もいろいろ、世相もいろいろ
地獄の石碑は月氏と思われる人物が多いので、今度はそれから世相を考えてみましょう。といっても、具体的にいつの年代かわかる月氏は少数ですので、ここでは「こんな時代もあった」ぐらいに考えていきます。
まずはこちら。初見の方、インパクトがあったんじゃないでしょうか。
月氏は初代の風魔君も27代君も「無口で真面目」な感じなので、あんまり紐づかないかもしれませんが、長い世代交代の間にはこんな快楽主義の傑物もいたことになります。しかしとりあえず地獄に行くという発想はどうにかならないのか。
それもこの石碑の人物、毎日の酒池肉林に飽きたという口ぶりです。月氏は決して千年通して質素倹約ではなかったというか、多分おそらくそんな時代もあったというか、この頃は民も搾り取られていたのかな…などと考えてしまいます。大洞の石碑の人物、この時代の人だったらなんとも可哀想…。
さて、こちらは遊郭のこれまた過激な石碑です。ですが、前に出した石碑と並べてみると、うーん、言いたいことも少しはわかるような。
このほか、月氏には侍女を連れ帰った十三代目当主に関して、以下のような石碑が見つかっています。
女と酒が好き、とのたまうこの、なんというか、この当主…。
ちょっとの魍魎が湧いては倒され、大事件もないまあまあ平穏な世になって、権力にあぐらをかくだらしない男当主が多かったのでしょう。月氏の女たちが呆れて一念発起、実権を奪い取ったことから、先の遊郭の石碑に繋がるのだと思われます。
侍女を連れ帰った当主が十三代目、女当主の蓮華が二十一代目なので、その間最長七代弱にわたり、恐らく断崖に石碑のあった当主も含めた「生臭当主」が続いたのだと思われます。みな平穏なうちはまだしも、当主が欲に溺れて民が不幸になったら、月氏の女たちだって指をくわえて黙ってはいなかったのかもしれません。
女たちが蜂起し、蓮華のように女当主が出る時代となって、その後何代かについては生臭の遺伝子も息を潜め、ゲーム時点の27代まで繋がっていったのでしょう。
27代君に関しては「勇猛果敢な才ある人物」と評されていること、作中での振舞い等から、そこまで変わった人物だとは感じません。兄の嵐童も同様、作中では若干の不安要素がありますが、石碑の言葉を見たらかなりまともなことを喋っているので、多分おそらく真面目な方の人物だと私は思っています。
先代も真面目に悩んでいる石碑があったので、26代以降は安定した治世が望めていそうですが、民の暮らしぶりをゲームで見ることはできないので、そこは想像するしかなさそうです。
番外編:他に人がいるのかという話
ここからは世迷言ですので、お好きな方だけお読みください。具体的な資料や根拠は何もありません。
この『月風魔伝』ワールド、どうも一度世界滅亡しているようなので、ひょっとすると「寿壊の時点で生き残った人類は月氏だけ」みたいな可能性もあります。
あるいは、代を重ね少人数で生き延びてきたものの、地獄の魍魎の襲撃や衛生面の問題などから人口がどんどん減り、27代の時点では彼らだけ、あるいは家臣たちだけのような、とてつもなく絶望的な状況ということもなくはありません。といっても、その根拠は「館に生きた人間がほかにいないこと」です。人がとにかくいないので絡繰女を侍女とし、人類最後の抵抗…といったところでしょう。
ただこの説、かなり無理難題もあります。
月氏の館はその外観こそ美しいですが、川を渡れば5秒で忌地というロケーションの問題上、一般市民を住まわせておくには非常に危険です。少なくとも当主か、当主と同等に戦える腕の持ち主、あるいは頑丈な絡繰女(地獄の劣悪な環境で14世代も動いているので、相当頑丈なのだろうと思われます)でもない限りは、湧き出た魍魎に害されることとなります。もし月氏のほかに人がいたとして、館の内には見られない方がむしろ自然です。
さらに、27代に関しては「勇猛果敢な才ある人物として名高い」と解説があります。名高い、というからには、一定の人数から支持を得ていると見るべきです。人類の生き残りが数人という状況で「名高い」という解説はちょっと考えがたいので、市井には27代を評価する民が一定数、いると考えられそうです。
月風魔伝の世界はおそらく「高度に発達した文明が一度崩壊」しています。
西暦10000年オーバーという超未来に加え、13000年の「寿壊」インパクト、人と見分けのつかぬ絡繰女たちの存在、地獄の奥底に封印された戦艦「古宮都」など、それを裏付ける要素はたくさんあります。館や当主などの見かけが中世日本に近いのも、一度滅んだ文明を立て直した結果と思われます。
そんな月風魔伝ワールド、お世辞にも平穏な世界とは言えなさそうです。館は一見華やかですが、UMで見られる地獄以外の風景は館だけです。当主が監視目的で滞在するであろう場に、他に暮らす者たちの息遣いまで感じ取ることはできません。
民の暮らしぶりや月氏の当主としての治めぶりは、石碑にいくつか書かれているので、今回はそれを中心に考えていきたいと思います。
まずはこちら、断崖の石碑です。語り手は泥棒で、地獄へ宝があると聞き勇んでやってきたものの、何もなく死ぬばかりだと嘆いています。
これ、治安の点から見ると二極化されます。ひとつは、あまりに世が平穏なため「地獄で宝探し」のような世迷い言が独り歩きしている状況です。近現代のUMA探し、徳川の埋蔵金、あるいは都市伝説流行りなどに近いでしょう。もうひとつは、逆に世があまりに荒んでいることから、地獄にまで希望を求めているという説です。こちらは念仏による救済が求められた、かつての日本を思い出します。
毎回説が二極化していて、結局どっちなんだと言われることに定評のある拙宅ですが、これに関しては後者の可能性が高そうです。
こちらは大洞の石碑。「地上も地獄も変わらない」という悲痛な訴えから、当時どういう世の中であったか、まざまざと思い知らされるようです。
しかし全体的に職務寄りだったり、たまにものぐさ当主がいたりしますが、月氏政権が千年間ずっと横暴だったとも考えづらいです。基本的に魑魅魍魎が地獄から湧いてくる世の中なので、その過程で民や集落が犠牲になったりして、田畑を耕すもままならず、生活水準としてはそこそこ低かったのではないかと思います。月氏は当主ゆえちゃんとした身なりをして、それなりの屋敷を持っていますが、平民はこの限りではないのだろうと感じます。
「ご近所化した地獄」が与える影響
では、地獄から魑魅魍魎が恒常的に湧いてくる、いわば「ご近所化した地獄」が世に与える影響について考えてみましょう。
地獄の魑魅魍魎たちは、当主ですら素手では「支度をせねば」と言わしめるほどの難敵です。
そうなると必然的に、死が隣り合わせの世の中になります。死の恐怖と常に戦わねばならないというのは、相当なストレスであると同時に、生き方が即時的になるという面もありそうに感じます。明日の我が身、今日の我が身と考える民が集まれば、ストレスも相まってひどい恐慌が生まれることでしょう。
そこで、月氏の出番です。沼御前の解説に、現世に出てきていたのを昔、月氏が討ったという内容があります。月氏は魍魎が湧き出て集落などに被害を与えていると、それを排除する形で民の安全を確保していたであろう事がわかります。
おそらく「寿壊」のあとからそうだったのでしょうが、ある程度戦う力のある月氏と高度文明に守られてきた人々との間でまず庇護関係が生まれ、それが次第に「月氏による地上統治」という形になっていったのだと思われます。
月氏もいろいろ、世相もいろいろ
地獄の石碑は月氏と思われる人物が多いので、今度はそれから世相を考えてみましょう。といっても、具体的にいつの年代かわかる月氏は少数ですので、ここでは「こんな時代もあった」ぐらいに考えていきます。
まずはこちら。初見の方、インパクトがあったんじゃないでしょうか。
月氏は初代の風魔君も27代君も「無口で真面目」な感じなので、あんまり紐づかないかもしれませんが、長い世代交代の間にはこんな快楽主義の傑物もいたことになります。しかしとりあえず地獄に行くという発想はどうにかならないのか。
それもこの石碑の人物、毎日の酒池肉林に飽きたという口ぶりです。月氏は決して千年通して質素倹約ではなかったというか、多分おそらくそんな時代もあったというか、この頃は民も搾り取られていたのかな…などと考えてしまいます。大洞の石碑の人物、この時代の人だったらなんとも可哀想…。
さて、こちらは遊郭のこれまた過激な石碑です。ですが、前に出した石碑と並べてみると、うーん、言いたいことも少しはわかるような。
このほか、月氏には侍女を連れ帰った十三代目当主に関して、以下のような石碑が見つかっています。
女と酒が好き、とのたまうこの、なんというか、この当主…。
ちょっとの魍魎が湧いては倒され、大事件もないまあまあ平穏な世になって、権力にあぐらをかくだらしない男当主が多かったのでしょう。月氏の女たちが呆れて一念発起、実権を奪い取ったことから、先の遊郭の石碑に繋がるのだと思われます。
侍女を連れ帰った当主が十三代目、女当主の蓮華が二十一代目なので、その間最長七代弱にわたり、恐らく断崖に石碑のあった当主も含めた「生臭当主」が続いたのだと思われます。みな平穏なうちはまだしも、当主が欲に溺れて民が不幸になったら、月氏の女たちだって指をくわえて黙ってはいなかったのかもしれません。
女たちが蜂起し、蓮華のように女当主が出る時代となって、その後何代かについては生臭の遺伝子も息を潜め、ゲーム時点の27代まで繋がっていったのでしょう。
27代君に関しては「勇猛果敢な才ある人物」と評されていること、作中での振舞い等から、そこまで変わった人物だとは感じません。兄の嵐童も同様、作中では若干の不安要素がありますが、石碑の言葉を見たらかなりまともなことを喋っているので、多分おそらく真面目な方の人物だと私は思っています。
先代も真面目に悩んでいる石碑があったので、26代以降は安定した治世が望めていそうですが、民の暮らしぶりをゲームで見ることはできないので、そこは想像するしかなさそうです。
番外編:他に人がいるのかという話
ここからは世迷言ですので、お好きな方だけお読みください。具体的な資料や根拠は何もありません。
この『月風魔伝』ワールド、どうも一度世界滅亡しているようなので、ひょっとすると「寿壊の時点で生き残った人類は月氏だけ」みたいな可能性もあります。
あるいは、代を重ね少人数で生き延びてきたものの、地獄の魍魎の襲撃や衛生面の問題などから人口がどんどん減り、27代の時点では彼らだけ、あるいは家臣たちだけのような、とてつもなく絶望的な状況ということもなくはありません。といっても、その根拠は「館に生きた人間がほかにいないこと」です。人がとにかくいないので絡繰女を侍女とし、人類最後の抵抗…といったところでしょう。
ただこの説、かなり無理難題もあります。
月氏の館はその外観こそ美しいですが、川を渡れば5秒で忌地というロケーションの問題上、一般市民を住まわせておくには非常に危険です。少なくとも当主か、当主と同等に戦える腕の持ち主、あるいは頑丈な絡繰女(地獄の劣悪な環境で14世代も動いているので、相当頑丈なのだろうと思われます)でもない限りは、湧き出た魍魎に害されることとなります。もし月氏のほかに人がいたとして、館の内には見られない方がむしろ自然です。
さらに、27代に関しては「勇猛果敢な才ある人物として名高い」と解説があります。名高い、というからには、一定の人数から支持を得ていると見るべきです。人類の生き残りが数人という状況で「名高い」という解説はちょっと考えがたいので、市井には27代を評価する民が一定数、いると考えられそうです。
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