月ノ下、風ノ調 - 第2回月風魔伝UMワンドロライ 今年も終了しました! 忍者ブログ
月風魔伝その他、考察などの備忘録。
皆さんこんばんは、九曜です。
Misskeyにて行われたワンドロライ企画が無事、今年も終了いたしました。


※ネタバレを含みます。OKな方は拡大閲覧ください。

主催は文庫ページメーカーで上記のように提出する予定でしたが、折悪くMisskey側で画像アップロードに関するトラブルが出ていたので、やむなくページでのテキスト投稿に切り替える形となりました。
5000文字までならノートでの折り畳み投稿も可能と考えると、Misskeyでの開催はなかなか良いかもしれませんが、今回のようにサーバ内で画像アップロードに不具合が出た場合も考え、外部サイト(Pixiv、Privatter+、Fediverseの他サーバ等)への投稿・URLリンクでのご参加を参加要項で案内しても良いかもしれません。

以下追記より、今回の作品に関する作者のあとがき(今回ちょっと長い)です。
ネタバレ成分にも触れてますので、大丈夫な方だけ続きをお読みください。




当初は穏やかなお祝い系のネタにしようと思ったのですが、自分の設定したお題(月明かり)に見事ひきずられ、とりあえず館の月の下から話がスタートしました。
STEAMの月氏の館の壁紙を見ていると、庭には橋がかかり近隣に桃が咲いていて、館には桜と桃が同居していると気づいたところから、話を膨らませて、時期を「シナリオクリア一年後」に設定しました。

桜と桃と梅、似ていますが、花の咲く時期は微妙にずれています。館のこの光景は、ひょっとしたら何らかの力がはたらいた「本来はありえない光景」なのかもしれません。そういう所から「輪廻の術で現世に還りつく空間」に異色性を持たせ、館のあの光景の説明をつけています。ゲーム内において月に鬼の影が映り大きく輝いているのも、桜と桃がいずれも見頃なのも、さらにその上虫の声がしているのも、輪廻の術で固定された空間が「本来はありえない異様なものである」とし、一年後に見る同じ景色が違うことを作中で説明しています。
また、輪廻転生の術と月氏のパワーソースが魑魅魍魎であることを紐づけ、地獄の邪神を倒すことで輪廻転生の術自体が使えなくなる……という形とすることで、もはや帰ってくることのない兄への悲しみを、「誰も使うことの許されず」と一年も引きずっている27代の行動と相まって強めています。ただ27代には一年経ったなりに納得もしてほしかったので、「救えたとして、いつかは遠くへ行ってしまうのかもしれない、あの夜の景色がもう目の前にはないように」……と、館と月の距離感を通して語られています。

最後、侍女が火急の報せを持ってやってきて、27代は沼御前の討伐に発ちます。侍女は「変わらず傍にあるもの」の象徴として、現実の27代を支えてくれる存在です。半眼微笑は仏の表情の比喩として使われるものなので、27代から見た侍女のイメージでこの言葉を選んでいます。
思い耽るのをやめて歩みはじめる27代に寄り添う月影は「私を見守り寄り添うようで」ここで初めてこの文中に「私」という一人称が登場します。自分以外の事象をただとりとめもなく考えていたところに、当主としての使命が舞い込み、当主としての自我が差し込まれるわけです。そしてこの月影ですが、月は月氏にとっては自分の姓と同じ言葉ゆえ、一族の象徴にあたるものと私は考えていて、それまで歴史を繋いできた一族が、当主を見守るやさしい眼差しのようなもの、と思っています。決して手の届かない所にいながらも、常に見守り、時に月影として寄り添ってくれるあたたかな存在として、月の表現をしたい、そんなお話でもありました。

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