月ノ下、風ノ調 - UM二次創作『名残雪』 忍者ブログ
月風魔伝その他、考察などの備忘録。
皆さまこんばんは。

本日はエイプリルフールですので、

エイプリルフールですので…

……。


昨日が月曜ということを忘れて、ブログ更新してなかった九曜です。
わりと本気で忘れてましたごめんなさい。

で、忘れていたついでにエイプリルフールネタでも、と思ったのですが、昨今いろんな企業が率先してエイプリルフールでウソをついているし、私は別に不慣れな嘘をつかなくっていいんじゃないかという結論に至りました。
皆さん薄々お気づきかと思いますが、管理人はオモシロイ嘘をつくのがたいへん下手です。

というわけで、現在時刻は4/1の18時4分、とりあえずお話の筆を執ることにしました。
追記よりご覧ください。







名残雪


 宵の空気はまどろみ、夜空の底が淡く白んだ。眠気でうとうとと舟を漕いでいた蓮華がはっと顔を上げた。意識がまるで現世に引き戻されたように、突然の覚醒であった。思わず立ち上がり、縁側に出る。ゆっくりと少しずつ散ってゆく桜の木の奥に、眩い朝の陽射しがこぼれた。地獄より出て久しく訪れる、夜明け、であった。

 使命を胸に地獄へ向かった二十七代月風魔は、ついぞ戻って来なかった。思えばあの晩、蓮華は何度か行っては戻り、またすれ違っては冥府へ下りてゆく二十七代を、今どういう状況であろうと疑問に思いながらも、あまり深く考えず見送っていた。己も地獄で果たしたい事柄はあったが、何かと「兄上がおれば」と案ずる弟を、引き留めてまで行くつもりはしなかった。
 かれの兄は地獄で見つかっただろうか。それとも地獄にはいなかったのだろうか。そもそも、かれは一体どこへ行ってしまったのか。かつての自分のように地獄へ囚われたのか?……そう幾度も思案する蓮華の目に、飛び込んできた金色(こんじき)のあたたかな光が、現当主たる男の強い瞳を思い起こさせた。足元をふと見れば、眩い光が足元に長く影を伸ばしている。ああきっと、かれはこの世の『影』となったのだ。不思議と蓮華にはそう思えた。

「こちらにいらしたのですか」

 覚えのある声に顔を向けると、侍女が袖を合わせてしずかに佇んでいた。ほとんど表情など持たぬ精巧な絡繰女であるが、目を伏せ、口角をやや下げていることから、何をか察して、蓮華も少し俯いた。

「朝食にいたしましょう。家臣の皆が待っております」

当主が、ではなく、家臣の皆が、と彼女は言った。いよいよ、二十七代は帰ってこないのだという確信が、蓮華の内で湧き上がり、しがみついた岩から押し流される心地で、重い一歩を木の床に踏み出させた。
 地獄より救ってもらい、まだ一昼夜も共に過ごしたことのない人間。月一族という魂の繋がりがあるだけの、ほとんど他人である二十七代月風魔の、あっけない喪失をこれほど悼んでいる自分が不思議でありながら、蓮華はその気持ちを邪険にもできなかった。
 どこの廊下をどう歩いたか知らぬ内、朝餉の準備が整っている大広間の手前に着いた。中庭を挟んで見える当主の居室と思しき場は、ぴたりと障子が閉じられている。その障子をこの先開ける者は、この屋敷にもう侍女以外おらぬのだろう……思い耽っていた蓮華の視線を、何か白いものが横切った。奥の庭の桜がここまで舞って来たものだとばかり思ったが、それは次から次へと天より降ってきて、今の蓮華にとっては虚しいぐらい白かった。

「雪……」

庭には桜も桃も咲き乱れている。穏やかな風に乗って、溶けないまま落ちて来たいくつもの雪が、地に落ちては儚く溶け、次々と短いいのちを散らしていった。これまで地獄で散ってきた数多の者たちが、雪となって現世に戻り、次々とこの大地へ還ってゆく幻さえ見えるようであった。ひときわ大きな雪の粒が落ちてきたが、他の細雪(ささめゆき)と変らず、たちまち溶けて土に染みた。

「蓮華様?」

 蓮華の頬には季節外れの雨が流れた。降る雪はそれを覆い隠すもせず、ただ静かに、立ち尽くすふたりを包み込んでいた。



++++++++++

エイプリルフールなので「オレカバトルに27代当主参戦!?」とかやろうと思ったんですけど、ほんとに月風魔伝枠から誰も参戦しなかったら困るのでそれは別の機会にするとして、今回はこういうお話です。救出された蓮華だけが残ってしまったパターン。
ゲームの通り、27代で進んで最深部から戻ってこれなかった場合に、たぶんこんなエンディング後の展開になるんだと思います。と、エンディング後の展開がぜんぜんないのをいいことに、全パターン網羅する勢いで書いている私であります。
エイプリルフールなので、できればこのパターンじゃないといいなーのきもちもあります。主に27代君は無事に戻ってきてほしいしできれば兄上も戻ってきてほしい。プレイアブルになれ(願望)

私の勝手な想像では、別に蓮華さんには恋愛感情とかはなく、単純に「志の同じ、同族」という認識で27代君と接してくれると思っていて、まあでも面倒見が良いのでいい相談役とかになってくれるかなーという認識をしています。兄上が戻ってきた場合は兄上に諫言ダイレクトする係でもある。兄上は弟さん大好きだし弟さんも兄上大好きなので…(拙宅の認識)

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