月風魔伝その他、考察などの備忘録。
皆さまこんばんは、九曜です。
エイプリルフール2週目!!などと言ってはいられないので、今週はこんな議題です。
タイトルをちゃんと読んでもわからないという方が恐らくいると思いますが、とりあえず月風魔伝やUMにおける地獄の話をしたいんだと思ってください。
何しろ、原作風魔伝では作中でも重要、新作風魔伝に至っては作中情報の9割をこの地獄が占めている感じなので、地獄についてはあらゆる面から考察する必要があると私は考えます。
難しい前置きばかりでも先に進みませんので、追記よりお読みください。
※考察という記事の性質上、今回も本編のネタバレを含むものとなっています。大丈夫な方はどうぞ。
エイプリルフール2週目!!などと言ってはいられないので、今週はこんな議題です。
タイトルをちゃんと読んでもわからないという方が恐らくいると思いますが、とりあえず月風魔伝やUMにおける地獄の話をしたいんだと思ってください。
何しろ、原作風魔伝では作中でも重要、新作風魔伝に至っては作中情報の9割をこの地獄が占めている感じなので、地獄についてはあらゆる面から考察する必要があると私は考えます。
難しい前置きばかりでも先に進みませんので、追記よりお読みください。
※考察という記事の性質上、今回も本編のネタバレを含むものとなっています。大丈夫な方はどうぞ。
「地獄」を構成するものたち
地獄 (仏教) - Wikipedia
いつもの、資料にしてはNGと名高いWikipediaのリンクです。
他のサイトがないか色々調べたんですけど、なんか題材のせいかどれも微妙に紹介していいか悩ましいリンクばかりだったので、結局Wikipediaを引くことになりました。とほほ。
で、地獄の機能としては「死後の人間を罪の重さに応じて裁き、該当する場所で服役させる」「服役の終わったものから輪廻転生できる」とざっくりあります。これに関してはWikipedia以外でも大体同じことが書かれているので、良いとしましょう。
で、この地獄が機能するためには、いくつかの要素が必要となります。
・死後の人間
・死後の人間を服役させるためのもの
一般的に、前者が死者であり、後者が鬼や炎や針山といったところでしょう。
ところが、月風魔伝及びUMにおいては、これの他に「あるもの」と「あるもの」が当たり前の要素として地獄に登場します。それが、
・魑魅魍魎
・天ツ外主
です。死後の人間とそれを服役させる存在のほかに、こんなもの(言い方が失礼)が蔓延っていて、地獄はちゃんと機能しているのでしょうか?
というわけで、月風魔伝の地獄が「地獄として保たれている」のかを、調べていきます。
月風魔伝における地獄のサイクル
先の項で地獄の機能を「1.死後の人間を裁く」「2.服役の終わった者から転生」と書きましたが、これを月風魔伝に当てはめてみます。
まず、月風魔伝やUMにおいては、地獄の人間を裁く、いわゆる閻魔大王と思しき存在が登場しません。
登場しないならいないのか?というと、どうも、登場していないだけ、という可能性がありそうで、
双天鬼の説明です(画像はとりあえず風鬼)
これによると、彼らが元々「獄卒」であったことがわかります。獄卒とは閻魔大王の指示などを受けて、死者を直接管理する下級役人のことです。双天鬼はその凶暴性から追放されていますが、地獄には獄卒が存在し、死者が彼らに恐らく管理されていることがわかります。
ということは、その上司である閻魔大王、またはそれに近しい存在がいる可能性があります。恐らく双天鬼を「追放した」のがそうだと思われますが、双天鬼の説明にはこれ以上の詳しい話は書かれていません。
とりあえず「1.死者は地獄に堕ちた後、閻魔大王またはそれに近しい存在に裁かれ、獄卒に管理される」ということは、月風魔伝においても変わらないようです。
では、その次の段階を考えてみます。地獄で責め苦を受けた後、死者は転生することができますが、月風魔伝の死者たちはちゃんと転生できているんでしょうか。
結論からいうと、この点で月風魔伝の地獄は、機能不全に陥っているような気がしてなりません。

こちら、原作風魔伝の死門です。
解説にある通り、悪魔城のシモンがこんな所で服役しています。
ゲームブックの流れも加味すると(詳しくいうとネタバレのため割愛)シモンは成仏できずに魔王軍の手先になっているので、輪廻転生できていない状態です。
また、三つ目首のように、なんかよくわからないけど道を外したようなものもいます。
獅子頭も、無念から成仏(転生)できずに地獄をうろついている状態です。責め苦を受けたのかどうなのかも最早わからない状態ですが、地獄のフローである「死者が転生する」という所から外れてしまっています。
そういえば、こんなのもいました。骸骨剣士とか骸骨弓士の説明です。
三回までならセーフの仏を激怒させたこの元人間は、どんなに服役しても地獄から出られないようです。となると、こちらも転生ルートを外れてしまったと思われます。
最後に、地獄観光の回でやったこの光景をご覧いただきましょう。
先に「死者が獄卒に管理されている」と書きましたが、地獄のあちこちにはご遺体が転がっており、どう考えても獄卒がお仕置きをしたというには過剰な光景です。
付近には魍魎がうろついている等もあり、どうやら獄卒に管理されていた死者が魍魎によって死んでいる(地獄で死んでいるとは…?)ようです。
恐らく、無事に服役を終えるのもこれではひと苦労でしょう。魍魎に狙われないとか、魍魎に対抗できる獄卒に管理されるという強運が必要となります。
これらの事を総合すると、本来地獄の備えている「地獄での服役が終わった後、死者が転生する」という機能がかなり失われているか、まったく行われていない可能性があります。
そうなるとどうなるかというと、魂が循環しないので、地上では命が減っていく…ということになるのでしょう。
月風魔伝の世界は、当主の周囲以外の描写がほとんどありませんが、人口が激減してたいへんなことになっているのかもしれません。
魑魅魍魎の発生と地獄の機能不全
で、この機能不全に深く関わってくるのが、月風魔伝の地獄における魍魎たちの存在です。
現実の地獄には存在しない魍魎が、月風魔伝においては地獄で生ずることで「服役後に転生」という魂の性質を失わせます。また、先の項の最後に触れた感じで、服役中に魍魎に害される死者も出ていることでしょう。
結果、地獄は魍魎だらけとなり、地上が連動して荒廃していきます。
原因はもう、想像がつくんですが、そうですね、たぶん天ツですね。
魍魎とは違う異質なもので、人の心を狂わせるという性質から、地獄に封じ込められた後「じゃあ地獄にいるやつ狂わせて遊ぼ」とかになったんだと思います。め、迷惑!
結果、本来は服役成仏するはずのいきもの(人に限らない)が次々魍魎化し、14672年には影響下の魔王龍骨鬼が野心を胸に地上侵攻、その後も影響し続け27代の頃まで地獄を「機能不全」にしていたと推測されます。
では、27代が天ツを討ち果たした後、地獄はどうなるのでしょうか?
私の希望としては「魍魎化がおさまり元の状態へ戻る」ことを考えたいですが、ひょっとしたら、一度変質してしまった地獄はなかなか、元に戻らないかもしれません。
何より、仏さえも激怒させてしまった骸骨剣士たちなんか、もうどうしたらよいやらなので、長い時間をかけて元のサイクルへ戻っていくのが、自然?なのかもしれません。
ちなみに、大穴説として「そこはほんとうは地獄ではなかった」というのがあります。
あくまでも、古宮都に封印された天ツが造り出した、地獄を模した異空間であり、そこにいる魂は地獄に堕ちたものでなく囚われたものだとか、なんかそんな感じでもしっくりきます。何より兄上のイベントの挙動があれなので。
とはいえ、あらゆる場面の解説でことごとく「地獄」「冥府」と紹介されているので、そこまで疑り深い見方をしなくとも良いのかも、と考えています。
地獄 (仏教) - Wikipedia
いつもの、資料にしてはNGと名高いWikipediaのリンクです。
他のサイトがないか色々調べたんですけど、なんか題材のせいかどれも微妙に紹介していいか悩ましいリンクばかりだったので、結局Wikipediaを引くことになりました。とほほ。
で、地獄の機能としては「死後の人間を罪の重さに応じて裁き、該当する場所で服役させる」「服役の終わったものから輪廻転生できる」とざっくりあります。これに関してはWikipedia以外でも大体同じことが書かれているので、良いとしましょう。
で、この地獄が機能するためには、いくつかの要素が必要となります。
・死後の人間
・死後の人間を服役させるためのもの
一般的に、前者が死者であり、後者が鬼や炎や針山といったところでしょう。
ところが、月風魔伝及びUMにおいては、これの他に「あるもの」と「あるもの」が当たり前の要素として地獄に登場します。それが、
・魑魅魍魎
・天ツ外主
です。死後の人間とそれを服役させる存在のほかに、こんなもの(言い方が失礼)が蔓延っていて、地獄はちゃんと機能しているのでしょうか?
というわけで、月風魔伝の地獄が「地獄として保たれている」のかを、調べていきます。
月風魔伝における地獄のサイクル
先の項で地獄の機能を「1.死後の人間を裁く」「2.服役の終わった者から転生」と書きましたが、これを月風魔伝に当てはめてみます。
まず、月風魔伝やUMにおいては、地獄の人間を裁く、いわゆる閻魔大王と思しき存在が登場しません。
登場しないならいないのか?というと、どうも、登場していないだけ、という可能性がありそうで、
双天鬼の説明です(画像はとりあえず風鬼)
これによると、彼らが元々「獄卒」であったことがわかります。獄卒とは閻魔大王の指示などを受けて、死者を直接管理する下級役人のことです。双天鬼はその凶暴性から追放されていますが、地獄には獄卒が存在し、死者が彼らに恐らく管理されていることがわかります。
ということは、その上司である閻魔大王、またはそれに近しい存在がいる可能性があります。恐らく双天鬼を「追放した」のがそうだと思われますが、双天鬼の説明にはこれ以上の詳しい話は書かれていません。
とりあえず「1.死者は地獄に堕ちた後、閻魔大王またはそれに近しい存在に裁かれ、獄卒に管理される」ということは、月風魔伝においても変わらないようです。
では、その次の段階を考えてみます。地獄で責め苦を受けた後、死者は転生することができますが、月風魔伝の死者たちはちゃんと転生できているんでしょうか。
結論からいうと、この点で月風魔伝の地獄は、機能不全に陥っているような気がしてなりません。
こちら、原作風魔伝の死門です。
解説にある通り、悪魔城のシモンがこんな所で服役しています。
ゲームブックの流れも加味すると(詳しくいうとネタバレのため割愛)シモンは成仏できずに魔王軍の手先になっているので、輪廻転生できていない状態です。
また、三つ目首のように、なんかよくわからないけど道を外したようなものもいます。
獅子頭も、無念から成仏(転生)できずに地獄をうろついている状態です。責め苦を受けたのかどうなのかも最早わからない状態ですが、地獄のフローである「死者が転生する」という所から外れてしまっています。
そういえば、こんなのもいました。骸骨剣士とか骸骨弓士の説明です。
三回までならセーフの仏を激怒させたこの元人間は、どんなに服役しても地獄から出られないようです。となると、こちらも転生ルートを外れてしまったと思われます。
最後に、地獄観光の回でやったこの光景をご覧いただきましょう。
先に「死者が獄卒に管理されている」と書きましたが、地獄のあちこちにはご遺体が転がっており、どう考えても獄卒がお仕置きをしたというには過剰な光景です。
付近には魍魎がうろついている等もあり、どうやら獄卒に管理されていた死者が魍魎によって死んでいる(地獄で死んでいるとは…?)ようです。
恐らく、無事に服役を終えるのもこれではひと苦労でしょう。魍魎に狙われないとか、魍魎に対抗できる獄卒に管理されるという強運が必要となります。
これらの事を総合すると、本来地獄の備えている「地獄での服役が終わった後、死者が転生する」という機能がかなり失われているか、まったく行われていない可能性があります。
そうなるとどうなるかというと、魂が循環しないので、地上では命が減っていく…ということになるのでしょう。
月風魔伝の世界は、当主の周囲以外の描写がほとんどありませんが、人口が激減してたいへんなことになっているのかもしれません。
魑魅魍魎の発生と地獄の機能不全
で、この機能不全に深く関わってくるのが、月風魔伝の地獄における魍魎たちの存在です。
現実の地獄には存在しない魍魎が、月風魔伝においては地獄で生ずることで「服役後に転生」という魂の性質を失わせます。また、先の項の最後に触れた感じで、服役中に魍魎に害される死者も出ていることでしょう。
結果、地獄は魍魎だらけとなり、地上が連動して荒廃していきます。
原因はもう、想像がつくんですが、そうですね、たぶん天ツですね。
魍魎とは違う異質なもので、人の心を狂わせるという性質から、地獄に封じ込められた後「じゃあ地獄にいるやつ狂わせて遊ぼ」とかになったんだと思います。め、迷惑!
結果、本来は服役成仏するはずのいきもの(人に限らない)が次々魍魎化し、14672年には影響下の魔王龍骨鬼が野心を胸に地上侵攻、その後も影響し続け27代の頃まで地獄を「機能不全」にしていたと推測されます。
では、27代が天ツを討ち果たした後、地獄はどうなるのでしょうか?
私の希望としては「魍魎化がおさまり元の状態へ戻る」ことを考えたいですが、ひょっとしたら、一度変質してしまった地獄はなかなか、元に戻らないかもしれません。
何より、仏さえも激怒させてしまった骸骨剣士たちなんか、もうどうしたらよいやらなので、長い時間をかけて元のサイクルへ戻っていくのが、自然?なのかもしれません。
ちなみに、大穴説として「そこはほんとうは地獄ではなかった」というのがあります。
あくまでも、古宮都に封印された天ツが造り出した、地獄を模した異空間であり、そこにいる魂は地獄に堕ちたものでなく囚われたものだとか、なんかそんな感じでもしっくりきます。何より兄上のイベントの挙動があれなので。
とはいえ、あらゆる場面の解説でことごとく「地獄」「冥府」と紹介されているので、そこまで疑り深い見方をしなくとも良いのかも、と考えています。
この記事にコメントする
| HOME |
UM二次創作『名残雪』 >>
プロフィール
HN:
九曜
自己紹介:
ゲームを遊んだり、絵を描いたり、色々考えるのが好き。このブログは備忘録として使っています。
ブログ内検索
カテゴリー
最新記事
(04/07)
(04/01)
(03/24)
(03/17)
(03/10)