月風魔伝その他、考察などの備忘録。
皆様こんばんは、九曜です。
今回はBGMレビューの続き、Disc2の分を綴っていきます。
Disc1に関しては前回の記事をご覧ください。
重ねて注意事項ですが、
・私は楽器の名前も音楽ジャンルもさっぱりわからないので、そういう具体的な話はできません。
・ステージ等が未実装のBGMである「こいへ こいへ」「暴乱萬猫」(Disc1)「獄下の共闘」「響洞の鎮魂歌」「蛙鳴蝉噪」(Disc2)の5曲については、該当ステージ実装まで私が聴く気がないのでレビューしません。
・おまけトラックの環境音、効果音に関してもレビューはないです。
・基本的に一周本編をプレイしている前提のコメントがありますので、ネタバレが気になる方は先に遊んでください。
特に、Disc2は本編後半ステージの曲を多く含むので、まだ未プレイの方は先に遊ぶことを強くおすすめいたします。
Steam:GetsuFumaDen: Undying Moon
GetsuFumaDen: Undying Moon | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
いつもの置いておきますので、よかったらどうぞ。たまにセールしているので買うならその時がお得です。
Nintendo Switch版はSwitchでもSwitch2でも遊べるはずなので、STEAMでゲームが遊べない人、Switch2を手に入れた人はぜひご検討ください。
今回はBGMレビューの続き、Disc2の分を綴っていきます。
Disc1に関しては前回の記事をご覧ください。
重ねて注意事項ですが、
・私は楽器の名前も音楽ジャンルもさっぱりわからないので、そういう具体的な話はできません。
・ステージ等が未実装のBGMである「こいへ こいへ」「暴乱萬猫」(Disc1)「獄下の共闘」「響洞の鎮魂歌」「蛙鳴蝉噪」(Disc2)の5曲については、該当ステージ実装まで私が聴く気がないのでレビューしません。
・おまけトラックの環境音、効果音に関してもレビューはないです。
・基本的に一周本編をプレイしている前提のコメントがありますので、ネタバレが気になる方は先に遊んでください。
特に、Disc2は本編後半ステージの曲を多く含むので、まだ未プレイの方は先に遊ぶことを強くおすすめいたします。
Steam:GetsuFumaDen: Undying Moon
GetsuFumaDen: Undying Moon | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
いつもの置いておきますので、よかったらどうぞ。たまにセールしているので買うならその時がお得です。
Nintendo Switch版はSwitchでもSwitch2でも遊べるはずなので、STEAMでゲームが遊べない人、Switch2を手に入れた人はぜひご検討ください。
04 桃源の白拍子
今まだレビューしないと宣言した3曲を飛ばしまして、いきなり4曲目ですが、夢幻の遊郭のBGMです。
白拍子(シラビョウシ)とは? 意味や使い方 - コトバンク
曲名の「桃源」は桃源郷(理想の都)のことでしょう。「白拍子」の意味がわからなかったので調べてみると、「笏拍子・扇拍子だけで踊ること」「平安~鎌倉にかけて流行した歌舞」「遊女」の3つの意味があるそうです。遊郭というぐらいなので「遊女」の意味合いが強い気がしますが、近寄るとものすごい勢いで音波攻撃をしてくる芸妓霊を「理想の都の遊女」なんて言われても、正直ちょっとなんかがおかしいような…。
軽快さや激しさはなく、ふんわり穏やかにさえ思える曲調と音色ながら、不協和音のせいでかなりの不安を煽られます。
曲全体にかけられたエコーのような効果も相まって、夢の中で酔っているような、不思議な曲に仕上がっていると思います。
05 桃夭の妄執
遊郭の裏側に行くとかかる曲です。
遊郭というステージ名に何らかの期待をして、ここでショッキングな体験をした方も結構いらっしゃるのでは。というぐらい、なんていうか、すごい場所です。
桃夭(トウヨウ)とは? 意味や使い方 - コトバンク
よくわからないタイトルについて調べたところ、桃夭は「女性の婚期・嫁入り時」の意味があるようです。
そして妄執は「迷い執着すること」です。遊女というのは職業柄、嫁入りぐらいの年齢になると、進退を問われることになるのは想像に易いでしょう。
具体的にどういう意味なのかまでは作中で語られませんが、曲の要所要所に差し込まれる強い調子から、生々しい醜さ、怨念に近いおどろおどろしさまで感じます。
06 笑う楼主
遊郭ステージボス、土蜘蛛戦の曲です。
遊郭全体が表裏の違いはあれど、何となく曲かどうかも怪しい調子だったのに対して、イントロからテクノ系の音色でたたみかけてきます。
弦楽器の音色が多く使われているのは、恐らく食い殺した幾多の遊女の怨念が宿っているせいでしょう。蜘蛛というぐらいなので蜘蛛の糸のイメージもあるのかもしれません。
襲撃されて撃退する当主としてはそんなつもりありませんが、曲全体がちょっと楽しそうなのは、曲名の「笑う」に現れているのでしょうか。なにしろ遊女を食い殺している蜘蛛なので、当主のことも餌か何かだと思って、喜んで襲いかかってくるのかもしれません。
07 静界の雪洞-雪間の髑髏
無窮の雪原の曲です。
ちょっとサントラの曲順が前後している感じなので解説すると、このステージは遊郭や城塞より手前の、雲霞の双峰との選択になる3ステージ目にあたります。
雲霞の双峰の時にも「突然静かになってびびる」話をしましたが、この曲も同様、静かで不気味な曲です。
鳴っているのはいくつかの鐘のような音色。不規則に遠く近く鳴り、曲の中盤を過ぎると自然に鐘とは別の音色が増えます。
この曲のタイトルが『静界の雪洞-雪間の髑髏』となっていることから、前半が「静界の雪洞」後半が「雪間の髑髏」なのだと思います。後半の音色がぽつぽつと散らばるところが、雪の間に散らばっている髑髏の景にどことなく、重なります。
08 邪狐の神降ろし
雪原ステージボス、九尾狐狸の曲です。
いやあ、この曲とっても好きです。恐らく笙に太鼓と思しき音色で始まって、これから神様でも呼ぼうかという雰囲気から一気に疾走感あふれる曲調に変わり、その中にまた和楽器が混じってきます。
九尾狐狸も五頭龍同様、魍魎に憑りつかれた元神格。ダイナミックな旋律はその名残でしょう。ただし堕ちてこちらを襲ってくるような状態なので、ジリジリと睨むような重低音の音色やバスドラムが裏で鳴っています。このバランスが良いですね。
途中、美しい主旋律が前に出てくる所がありますが、途中でぶっつり途切れてまた元の曲調に戻るあたり、神格としての本来の九尾狐狸の姿が思い起こされます。
ところで「神降ろし」とは、神の力を身に宿す降霊術のことです。
本来神格であったものが、堕ち、改めて「神降ろし」のように力を持って襲いかかってくるというこの曲名は、もはや神には戻れないこの魍魎の哀しさを物語っているような気もします。
09 月風魔物語:第3話
館で聴ける月風魔物語、3話まであります。
どこまで進めて戻ってきたら第3話になるかちょっと忘れたので、ある程度地獄に潜ってから戻ってくるのをおすすめします。
そして、歌詞をそのまま掲載できないので、とりあえず筆者の雑な訳(修正済)をどうぞ。
この世は地獄か、虚無か。龍骨鬼の封印が解かれた時、二十七代月風魔は地獄へ行き、その果てでこの世の罪を償うこととなるだろう。
前回の記事とあわせて「地上が地獄と化しまるで現世がなくなってしまったようだ」という前提で考え、「この世は地獄か虚無か」という訳にたどり着きました。
その後は見た通りです。「この世の罪を償う」という点は諸説ありますので、この項目での解説は今回ちょっと控えます。
ちなみに、この第3話はかなり曲調に盛り上がる箇所があり(大事なことを唄っているので)集中して聴いてると結構単語も聞き取れたりなんかするので、館で流れた時にぼーっと聞いてみてはいかがでしょうか。
10 金色の雷鳴
古の戦場跡で月嵐童と戦う際の曲です。
これの感想を問われても九曜当主はいつも「兄上………」になってしまうので、客観的で冷静なレビューが大変難しいのですが、ちょっと頑張って色々喋ってみようと思います。
前提として曲のかかる状況ですが、古宮都前で波動剣の封印を解けないでいる兄上が、様子がおかしい感じで喋りかけてきて、しまいには襲い掛かってきます。(プレイアブルキャラを蓮華に変更していなければ)実の弟に、です。
九曜当主の方から申し上げておくと、兄上は別に兄弟仲がすごい悪い感じを受けるでもなく、弟は自ら探しに行くと言わんばかりであり、前代当主からはどちらを選ぶか悩まれており、当人も「自分は選ばれなかったが一族の責務を果たす」という旨の心境が石碑から見てとれるので、どう考えても悪意を持ってこのタイミングで実の弟に襲いかかってくるお人柄ではないと思っています。多少の嫉妬心があったとして、地獄の奥底まで潜ってしまったことで、底の底にいる天ツにでも誑かされたんだと思います。
で、そんな状態で襲い掛かってくる時の曲なんですけど、強さも美しさも兼ね備えた最強の曲です。イントロの入りがとにかく強烈で、本編ではこれに合わせてボス戦カットインが発生します。強く衝撃を受けて脳裏に焼き付いた方も多いことでしょう。
イントロから続く曲調はしばらく強く激しく、相手が月氏最強の男というのがよくわかる構造になっています。一方で時折挟まる美しい音色から、荒っぽい粗暴さでなくちゃんと品性を感じさせます。普段の兄上はきっと品がいいんだと思います。
しかもご丁寧に傀儡蓮華etcの時に聞こえていた「月氏のテーマ」がちゃんと盛り込まれており、その月氏のテーマが流れるタイミングでは狙ったように三拍子です。この前段階で三拍子に変わる箇所があり、私はこの変拍子を兄上の葛藤と受け取りました。天ツに操られながら、剣を向けながら、果たして本当にこれで良いのか、と思っている部分が安定した四拍子でなく、不安定な三拍子となって表れているのだと思います。私は。そしてそこから月氏のテーマに派生していくので、「一族の責務」と「弟との対峙」で揺れる心境がこのあたりの曲調なのだと思います。
この曲に限りませんが、地獄における和の世界観らしからぬテクノ楽器を私はだいたい天ツ概念だと思っているので、月氏のテーマが流れているあたりではテクノ楽器がかなり息を潜めているので、そういう所好きだな…になりました。
11 行け!月風魔
月嵐童を倒すと、衰弱した嵐童に天ツ外主(でしょう、これは)が力を与え、邪悪なオーラを纏い完全に堕ちた鬼いさんとなって再び襲い掛かってきます。それに対し波動剣を引き抜き構え、鬼人化する当主。そこに言葉のやり取りはなく、戦闘開始とともにこの曲がかかります。『行け!月風魔』なんとも粋な曲名…と思いきや、この曲は前作にもある同名曲のアレンジです。なんとも粋な演出。
実はこの曲、見たまま英訳が「Go!」かと思えば「Onwards!」つまり「先へ行く、前へ進む」の行け!という意味になっています。この先へ行くため、前へ進むために、封印の役目を失い塵となった初代様も、残された波動剣も、力を貸してくれるという意味にとれます。こんなことされたら前作のファンなので泣きます。
なお、先へ進めない修練者モードでは、この曲がかからず月嵐童との戦闘後には消化不良状態で館へ戻されるので、文字通り「まだ先へは行かせられない」ということなのでしょう。英訳がきちんとしすぎていてファンはやはり泣きます。
さて、そろそろ曲の解説に入りましょう。といっても、大体は原曲をダイナミックに、和楽器ベースでアレンジしているといえば客観的には正しいと思います。前作ではマップ画面でかかる曲だったので「歩く」ような調子の曲でしたが、今回は戦闘でかかる曲らしくアップテンポにアレンジされています。
中盤、テクノ系の楽器がちょっと入ってきますが、これは天ツ概念なのかちょっと曖昧です。月一族って魍魎の塩基情報が入っているそうなので、それがありそうな所もあり、ただし途中の節回しは「原曲のピコピコをそのまま持って来た」ような風情もあり、なんか原作ファン泣かせのメロディなのかなとか思ったりなんかしたり。
途中から半音上がるところなんかいいですね。そしてこれでもかと和楽器を盛り込んできます。サントラ版ではきちんと曲に終わりの部分があり、ジャカジャカ鳴る弦のあたりで月風魔物語の3話ぐらいを思い出します。
そういえば主旋律の鳴きのギターみたいなやつ、悪魔城HDかどこかで少し覚えがあるような。愛されて何度もアレンジされてきた名曲、月風魔伝UMでは使用箇所ともに完成されているなと感じます。
どうでもいいのですが、筆者はこの曲を原作風魔伝で聴いた後、新作風魔伝のこの場面で初めてかかって大変な衝撃を受けたので、プロモーション映像で使うの正直もったいないと思っています。前作のあれを聞いた後、今作この場面で初めて聞いて、ぜひ衝撃を受けてほしい曲です。
12 氷刃の鳴
古宮都のBGMです。
鮮烈な戦いを乗り越えその先へ来てみれば、溜息の出るほど美しいイントロがお出迎えしてくれ、それは次第に背中を押す勇壮な旋律へ変わります。
この曲調の変化、大好きなのですが、これはもしかしたら当主の心境かもしれません。兄との決別から最初は空虚な気持ちが勝り、ただ白妙の美しい光景にばかり心とらわれていたものの、次第に強い意志を取り戻し、使命感を持って先へ進む、という流れです。
これまでの地獄で流れてきた軽快な感じと異なり、ひたすらダイナミックに展開していくこの曲は、ラストステージとしての盛り上がりをいっそう引き立たせます。バイオリンの音色が目立ちますが、各所にちりばめられた和楽器が「月一族の戦い」であることを想起させます。
13 氷晶の囁き
さて、『氷刃の鳴』の勇壮なBGMに酔いしれていると、突然BGMがこの曲に変わるエリアに到着します。こちらは古宮都下層部で聴けるBGMで、ここまでくれば天ツはもうすぐです。
上層で勢いのあるBGMだったので、突然不気味なこのBGMに差し変わることで「何か底知れぬ危険なものに近づいている」感じがひしひしと伝わってきます。主旋律のない環境音のようなBGMに、機械の音のようなものが紛れ込んでいるので、周回して一度天ツと戦ったことのあるプレイヤーであれば、なんとなく「気配」を感じることでしょう。
タイトルは「氷晶の囁き」となっていますが、古宮都に存在する氷晶が囁いているイメージなのでしょうか。この点については、古宮都の氷から岩小僧が生じていることから、古宮都の氷全体にまで天ツの邪念が行き渡っていると考えると、なんとなく合点がいくような気もします。
14 深下の魔縁
古宮都ボスにして本作ラスボス、天ツ外主の曲です。
これまで戦ってきたボスの多くが和楽器盛りの曲調でしたが、この天ツは曲全体がテクノ調で近代的です。見た目的にも名前的にも「外なる神」、地獄の魍魎とは質の違う何らかなので、曲の雰囲気もこれほど違うのでしょう。
個人的にUNDERTALEに出てくる某ボスモンスターのBGM(大きなネタバレなのでふんわり表現)を思い出します。他と比べて異質な感じもそっくりです。
主旋律らしいものがあまりメロディアスではなく、かといって環境音というにはやかましく、どちらかというと「ただいろんな音が鳴っている」印象を受けるので、ここに天ツの性質としての「本能的な危険性」「対話が通じない」部分を感じます。
15 古への覇者
スタッフロールで流れる曲です。UMのエンディングは環境音と効果音だけで終わってしまうので、その後この曲とともにスタッフロールが流れて終幕、となります。
曲としては総まとめのように、いろんなフレーズが盛り込まれています。OP曲『待宵唄』ののフレーズを伴って静かに始まり、勇壮な「月氏のテーマ」が入り、テンポアップからの和楽器を盛り込み再展開、いくつかの軽快に駆け抜けるような節から盛り上がり、最後スッと静かな終わりへ閉じていきます。
で、私個人がこの曲を改めて聴いて思うことなんですけど、月風魔伝UMというゲームを2通りに解釈できます。
ひとつは、このエンディングテーマは始まりと終わりが静かで同じ旋律を持ち、途中がとても盛り上がるので、ひとつなぎにループしている印象を受けます。これはこのゲームの本質というか、「何度でも輪廻転生し、地獄へ行き、目的を果たし、館へ戻ってくる」というものを表しているのではないかと。それも、その起点は美しく静かな月氏の館です。途中の勇壮なテーマは地獄で戦っている当主の記憶を表現しているかもしれません。
もうひとつですが、この曲を聴く限り私は、あの意味深極まるエンディングを見ても「この世界がバッドエンドへ続く世界線である」とは到底思えません。説明がない以上、考えうるネガティブな説もいくつか考察で提示してきましたが、曲全体に勢いがあり勇ましく、天ツの影がちらつく不穏な音色もなく、特に最後の盛り上がりでは「主目的を果たした」という達成感さえおぼえます。この世界が最後救いなく終わるのであれば、製作側の意向から考えても恐らくこのような曲にはなりません。当主がどうなったか、世界がどうなってゆくのか、語られてはいませんが、この曲を聴いて終わるというなら、何かが良い方へ向かう気がします。
ひとつ懸念を挙げるなら、曲のタイトル。『古への覇者』というのは言葉通りに解釈すれば「むかし覇者であったもの」です。平家物語に盛者必衰だとか諸行無常とかいうフレーズがあるように、この「覇者」を月一族と解釈するなら、一族の時代は「古への」ものであると受け取れます。天ツ討伐をきっかけに、一族は役目を終え、一族の時代が終わる…ということを示唆しているタイトルには思えます。
とはいえ、やはり私個人は曲の調子から「バッドエンドではない」と解釈しているので、たとえ月一族の時代が終わるとしても、次の時代の幕開けがやってくると思いたいです。
以上、月風魔伝UMほぼ全曲レビューでした。
今回レビューしなかった数曲については、アップデート等でステージが実装されたら追加でレビューの予定です。
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ゲームを遊んだり、絵を描いたり、色々考えるのが好き。このブログは備忘録として使っています。
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